晩秋の冷たく澄んだ空気が気持ちいい季節になりました。今日は再び、フラフープの話しです。
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いえ、そればかりやっていたわけではもちろんありません。いよいよ幼稚園で最後になった運動会。コロナ禍の中、無事に行われるのか、わたしたち保護者は子供のがんばりを目にすることが出来るのか。数カ月をハラハラしながら過ごした末に、無事に、頼もしく、感動的に行われた運動会。
そして、6歳にして初めて本格的に参加したハロウィーン。

6歳になった息子との旅は、これまでのどの一年とも違うもので、嬉しいこともやっかいなことも、腹の立つことも頼もしく思うことも、どれもこれも今まで味わったことのない愛しさがあります。
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そんな中、昨日、「上着なしで外遊びできるのも、今年はこれで最後かなあ」と、温かい陽光のもと、再びあのフラフープの公園に出かけました。フープマンユーヤが出演するとのこと。
息子は無邪気に楽しみにしていながらも、ふっと一瞬表情を強張らせて、「今回はフラフープ大会ではないのだよね?」と聞いてきます。そうではないよ、と伝えると、「まだ準備不足だから・・・」と言うのでした。
フープマンのショーを楽しみつつ、合間の時間は、広場に用意された遊具で遊んだりして過ごしました。前回のフラフープ大会の時に行われていたフラフープ検定もまた開催されています。今日もたくさんの子供たちが参加しているねえ、とのんびり眺めていて気付きました。どうやらこの検定内容がアップデートされ、新しいものになっているらしい。これが全ての始まりでした。
息子、「いやあ、今日はいいよ。前回やったし」と言います。自信がないのです。がんばりやな反面、自信がないと挑戦できない、これは息子の性分です。わたしはにこにこと頷くだけで、何も言いません。こういう時の息子に内心「挑戦してみたい」気持ちが宿っていることをだんだんと分かっていたからです。
しばらくすると、「ちょっと行ってみようかな」と息子。うん、新しい内容だから、どこまで出来るかママも知りたいって思ってたとこ。
10級から2級まではなんなく合格しました。1級の「片足で5本回し10秒」で失敗します。2回チャンスをもらえましたが、8秒ぐらいだったかな?あと一歩のところで不合格。2級に押印された認定書を手に、じわりと涙を浮かべていました。
意外にも、「もう一回やったら出来る気がする」と言ってすぐに自ら列に並び、二度目の挑戦。
9秒というところまで行きましたが、3回のチャンスの中で成功させることは出来ませんでした。じわじわと自信をなくして行くのが分かります。
わたしがこの二度目の挑戦を「意外」と思ったのは、息子が挫折に慣れていないことが理由でした。失敗を怖がりすぎるところ、怖さのあまり、よっぽどの自信がないと挑戦すら拒むところがありました。
息子は芝生に座って泣き始めました。どんなにこの課題が難しいかをぼやいています。でも、何より腹が立つのは自分自身だと言っています。わたしは、空っぽに響くことは分かっていても、「ここまで出来たことがすごい」と伝えます。でも、息子の心には届きません。
こういう時の息子は、気晴らしに誘っても乗って来ません。ずっと悔しさと戦っています。そうして30分くらい過ごしたでしょうか、「もう一回行ってくる。ダメなのは分かっているけどね」と、ふてくされた顔で、投げやりな態度で、それで成功するはずはないのですが、それでもやらなければ気が済まない息子の気持ちを頼もしく思い送り出しました。
結果はさんざんでした。途中から涙を浮かべ、3回目のトライを断って、また芝生に座り込みました。しばらく泣きじゃくった後、さっきより語調を強めて不満をぶつけています。わたしが、出来るだけ言葉を選び、出来るだけ正直な気持ちを伝えても、全てに理路整然と反発してきます。
でも、可笑しなことに、わたしは息子がわたしに八つ当たりするこの状況を喜んでいました。わたしが息子にとって八つ当たりできる存在でホッとしていました。
息子はやはり気晴らしの誘いには呼応しません。「帰りたい、もう一生やらない」と言うので、じゃあ今日は帰りましょう、と言っても帰ろうとさえしません。失敗してももう一度挑戦できたことをわたしは十分に誇らしく思っていたし、また一歩成長したなぁと満足していました。
なんとなくそうした方がいい気がして、わたし一人でいったんその場を離れました。「一歩一歩だね」と誰に当てたわけでもなく、つぶやきました。
少し時間をおくつもりでいたけど、もしかしたら、と思い始めました。まだ挑戦したい気持ちが残っているのではないか、だから帰ろうとしないのではないか。終了時間まであと5分です。気づかれないように足早に息子の背後に近づくと、息子は頼りない笑顔でわたしを見つけ、「行ってこようかな」と言いました。
この日一日、わたしはどの場面でも「こうしたらいい」という無責任なアドバイスをしませんでした。でもこの時は、ひとつだけ言わずにはおれず、慎重に伝えました。「いま、がんばりたい気持ちと、出来るって信じることができない気持ちがないまぜになっているように見えるの。がんばろうとしてる自分を信じてあげてね」。息子は「信じたとして、それでも出来なかったらどうするの?」といじわるに言いました。「どうしよう」、わたしは笑ってしまいました。「でも、信じないと始まらないから」。
四度目の挑戦を、息子はぎりぎりのところで成功させました。歯を食いしばったその顔は、自分を信じた表情に思えました。終了時間は過ぎていましたが、名人に挑戦する資格を与えられ、笑顔と自信を取り戻しつつ、これもまた成功させました。
最後にもう一度フープマンのショーをみて、終了後の人だかりが少しずつ帰り道に散っていくのを待ちました。辺りが落ち着いたのを確認して、息子はフープマンのもとに近づき、「名人になれました」と認定書を差し出しました。フープマンは「名人合格おめでとう」という言葉と共に息子の名前を書き添えてくれました。「また来てください」と見送って下さった温かさが、息子にとって何よりのごほうびになったでしょう。
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夜、おふとんの中で、今日は母であるわたしが息子から学んだ一日になったということを伝えました。息子は涙声になって「おやすみ」と眠りにつきました。
充実した疲れを癒す、とてもいい寝顔でした。
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