夕方5時になると、町に音楽が流れる。
聞いたことがあるようなないような、いや、ないのだけどなぜか懐かしい、そういう曲。公園のお母さん達が子どもを連れて帰途につく。多摩川の上空を覆うのは、障子越しにみるような、ぼんやりとした柔らかい夕焼け空だ。ああ、お豆腐が売切れてしまう、と、地元の野菜や食品を置くコンビニに向かう。移動式の魚屋さんが来る日は当たりの日だ。そういう日常を始めました。
帰国してちょうど一ヶ月になります。到着した翌日、東京では桜満開宣言がなされて、久しぶりの故国にまだ浮かれていた私は、明るい気持ちで町を歩きました。楽しい気分だったのはその日だけで、翌日からの数週間のことは、もうよく思い出せません。小さな部屋にぎっしり詰まった荷物を片付け・・・というか、なにかひとつを動かすために全ての荷物を移動して、やっとひとつの居場所が定まり、また大移動して、またひとつ定まったと思ったら、さっき収めたものはそこでは据わりが悪いことに気付き・・・みたいな、こういう平面ゲームが確かあったよな。荷物を減らして退避場所をつくらないといつまでもたっても終わらない、と、車を借りてリサイクルショップに走り・・・また振り出しに戻る。大袈裟なようだけど、全て実話、箸の置き場所ひとつで家人と言い争ったのですから。(結果、箸を買い換えるに至りました(笑))いつか収束すると信じて10周回ぐらいしたのかな。座ってコーヒーを飲めるようになったのはここ一週間ほどです。がんばった甲斐あって、すっかり居心地のいい部屋になりました。
我ながら、その見事な食い意地のおかげで、美味しいものやお酒を出すお店を見つけだす能力がすごいです。先日、近所のバーを初めて訪れたときのこと、2年以上住んでる諸先輩方をはるかにしのぐ情報量に驚かれ・・・いえ、まあ、呆れられたわけなんですけど。
病院にも通い始めました。これはなかなか、かなりのカルチャーショックで、おもしろいドラマが書けそうなので、おいおい新連載的にお話していきたいと・・・いいや、ムリムリ(笑)
そんなこんな、元気でやっています。
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