ジェイク・バグを初めて知ったのは、昨年9月のiTunesフェスティバル。
ロンドンで開かれる、毎年恒例の音楽イベントだ。昨年は、エド・シーランをはじめ、エミリー・サンデーやリアン・ラ・ハバスあたりの新勢力、マムフォード&サンズのような世界的にその年を代表するミュージシャン、そしてワンダイレクションみたいなもの(笑)まで、それはそれは豪華なラインアップだった。・・・と、分かったように書いてはいるけど、確認のため再度調べてみて改めて、ほんとに先を見越したラインアップだったんだなあ、と知る。今年も大方発表されていて、盛り上がりをみせている。
iTunesフェスティバルは9月まるまる1ヶ月間かけて行われる。毎日1-2組のオープニングアクトが45分程度のステージをつとめて、その後90分のヘッドライナーにバトンを渡す。例えば、昨年のある日を取り上げてみると、
9/5/2012: Gabrielle Aplin + Bastille + Emeli Sandé
といったかんじだ。(ね?このラインアップったら!)
ロンドンとサンノゼでは時差が8時間ぐらいあったので、ライブではみられなかったけど、毎日帰宅後、ビールを飲みながらその日の2組なり3組なりをチェックした。と、ある日、The Killersの前に、初めてみるギター小僧がステージに立った。
「・・・」と思った。なんていっていいか分からなかったし、いいのか悪いのかも分からなかった。浮かんだ言葉を羅列するとすれば、若い、古い、好みではない、声が微妙、ギターはうまい、不機嫌そう、青い、など、ネガティブなものが多くて、けっきょく「ギターロックは好みではない」という感情がウエイトを占めて、あまり追うことはしなかった。でも、なんだかひっかかるなあ、と、なにかを残した。
次にその名前を聞いたのは、エド・シーランのツイートだったと思う。ジェイク・バグのアルバムをゲットした、"Cool Tunes"、それだけだった。それだけなんだけど、その日はアルバム発売当日だったので、注目してるんだなあということは分かった。あっという間に、いろんなミュージシャンがその名前を口にし始めた。いろんな音楽雑誌がプッシュした。それから間もなくして、ブレイディみかこさんのブログに「公営住宅のボブ・ディラン」というエントリーがあがった。RSSリーダーでそのタイトルをみただけで、記事を開かなくてもジェイクのことだと分かった。ブレイディさんは、年明けに再度、美輪明弘とジェイク・バグを並べるエントリーを書いている。
その頃からアルバムを聴いた。やっぱり好きなのか好きではないのかが分からないまま聴いていた気がする。でも、その頃のこと、例えばグランドサークルの旅を思い返すと、頭の中にその14曲が流れ出す。それぐらい聴いていた。
帰国して、5月の渋谷で1時間ばかりのライブをみた。iTunesフェスの時より少し大人っぽくなった彼は、それでもまだ19歳で、思ったよりも小さな体で、たった一人ステージに上がった。圧倒される歌とギターだった。ずっとひっかかっていたなにかは、リアル感みたいなもののような気がした。
どのミュージシャンでも、一枚めのアルバムには特有の凝縮感がある。心血も骨も肉も注いで、きっと文字通り魂を削って生み出す分身のような作品。「こうゆう音楽がやりたいのだ」と一番よく分かるポートフォリオ。ジェイク・バグの音楽は、そうでしかいられないような、痛々しいまでのリアル感があった。だから、好き嫌いはともかく人の心に訴えるんだろうなあと、ぼんやり思った。
この夏、世界中のフェスでジェイクの名前をみる。もちろんヘッドライナーとしてだ。この週末も、スコットランドで行われた世界最大級の音楽イベント、T in the Parkに出演していた。もうきっと片手では収まらないぐらいにみた彼のライブの中で最高のものだった。なにより、何万というオーディエンスに愛されていることが伝わる、なんだか感慨深いステージだった。
Jake Bugg - iTunes Festival 2012(Full Set)
Jake Bugg - T in the Park 2013(Highlights)
その他の主なもの
Eurosonic 2013
Coachella 2013
Rock am Ring 2013
Glastonbury 2013
コーチェラ、グラスト、T in the Park。これだけみても、どんだけ主要フェス制覇してるんだよって感じ。さらにモントルージャズフェスティバルではプリンスと名前を並べているし、今年のiTunesフェスにもラインアップ、来月はサマーソニックで再来日もする。
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